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桃尻文庫

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特別なお仕置き (母/息子 厳しめ)

※お尻叩きのほか、ビンタ、お線香当て、お浣腸などの描写があり、総じて厳しめですのでご注意ください。



一、特別なお仕置き
午前九時、着替えと朝食をすませた少年は、母親の言いつけ通り仏間へ入り、正座をしたまま目を閉じていた。見れば、透き通るように白い腿には鳥肌がたっている。まだ冬の肌寒さも残る季節、下半身に何も履いていないのだから無理もない。握られた小さな拳は、青白い腿の上で微かに震えていた。

彼はこれから、ここで厳しいお仕置きを受けることになる。いや、この冷え切った仏間での一人きりの正座さえ、すでにその辺の子供にとっては充分にお仕置きの範疇なのだが、今日のそれの過酷さを思えば、このくらいは何でもないに等しかった。



この家には、代々伝わるかわった躾の方針があった。それは、子供が十二歳を過ぎて以降は、お仕置きを二度するというものだった。

一度目は、いわゆる普通のお仕置きである。なにか悪さをしたらその場で罰を与える。そして、二度目はその月の終わり。ひと月の間に犯したすべての過ちを振り返り、もう一度、同じだけのお仕置きをまとめて受け直させるというものだ。

子供の罪は一時の過ち、しかし、大人の過ちは評判や責任を伴って、一生ついて回ることになる。そこで、まだ大人と子供の中間にいる年頃のうちに、いけないことはいけないと、徹底的に身に沁みさせなければならない。

そんな今時の価値観からすれば、やや強迫観念じみた思いから、この独特の躾は行われているようであった。お仕置きが仏間での瞑想からはじまる事からも、あるいはそれに、昔はこの家独特の信仰上の思いも加わっていたのかもしれない。

ともあれ、それはしっかりと今のいままで続いてきたのである。少年は線香の残り香の染みた室内で正座しつつ、ここ一ヶ月に犯した罪の反芻をしながら今日のお仕置きを想像し、一人胸のうちに深く後悔したのだった。


二、お仕置きの見積もり
御勝手と模様硝子の戸で仕切られた居間では、足折れのテーブルで母親が帳面に向かい、これから行わなければならない息子へのお仕置きを見積もっていた。

今では厳しく息子に手を上げているこの母親も、最初は嫁いだ家の躾の方針には疑問を懐いていた。しかし、自分自身も旧家で育ち、今の息子同様、いや、月末のこの特別なお仕置きの機会さえ別にすれば、より厳格に躾けられてきた彼女にとっては、表立って家のしきたりに反発するという選択肢など思い浮かぶはずもなかった。

だが、それは決して卑屈な思いからでも、ましてや諦めからでもない。まずはここでの自分の役割を、間違いなく果たさなければならない。個人の本意、不本意などいうものではない。人間が生きるとはそうしたものなのだ。そんな、彼女なりの人生観や自負心があるのも確かだった。それが世間において、また時代において正しいかどうかは、別としてもである。

ゆえに彼女は息子の過ちと、その時に与えた罰とを普段から事細かに記録していた。

一日…寝坊、尻叩き二十回。
二日…食事中に肘をつく、手の甲に平手打ち。
三日…朝にグズる、尻叩き二十回。
四日…靴脱ぎ散らかし、玄関で正座三十分。口答え、頬に平手打ち。
五日…お父様に呼ばれすぐに返事をしなかった。頬に平手打ち。
六日…宿題の間違い、尻叩き十回。
九日…迷い箸、食べ零し、手の甲に平手打ち二回。
十日…寝坊、尻叩き二十回。口答え、頬に平手打ち。
十四日…お稽古をズル休み、頬に平手打ち二回、尻叩き百回、正座二時間。
十七日…寝坊、尻叩き二十回。お仕置きグズり、帰ってから尻叩き三十回、浣腸。
十八日…食事中に茶碗を落とす、手の甲に平手打ち。
二十日…お弁当を忘れていく、頭を一つ叩く。
二十一日…掃除の言いつけを忘れて遊びに行く、尻叩き五十回、正座二時間。
二十四日…おしっこを零してそのまま、浣腸。
二十六日…宿題の間違い、尻叩き十回。

いざ、見返してみて、あらためてお仕置きの頻度に心を痛めた。どれも子供のやりがちな些細な過ちだが、それなりに厳しいお仕置きが科せられているのは、やはりこの家の方針によるものだった。

頬に平手打ちが五回。手の甲への平手打ちが四回。浣腸も二回。そして、尻叩きは二百八十回にも及ぶ。合算するまでもなく一日中する羽目になる正座を除き、パチパチと算盤を弾いてみても、数の印象はまったく変わることはなかった。

思わず背筋を丸めて頭を抱えそうになる。お灸やお線香が重ならないだけ、今月はまだ救いがあるのかもしれなかったが、これから、この膨大な数を息子に突きつけ、その数だけ打ち据えなくばならないと思うと、彼女もまた酷く気を重くした。

勢い、ため息をつこうとして既のところで飲み込む。お仕置きに例外はないのだ。一度でも曖昧にしたら示しがつかなくなり、次も、その次もということになりかねない。

いけない。顔を洗う時のように両手で、自分の頬にひとつ気合を入れる。

せめて、全て終わったら思い切り抱きしめて、思う存分に甘えさせてやろう。そう心に決めて、母はしばしの間、鬼になる決心をかためた。丸まっていた背筋を伸ばし、顔から両の手の平を退けると、彼女の左右の頬は赤く染まっていた。


三、宣告
ストーブの熱気の篭った部屋から廊下に出た母親は、寒さに身の引き締まる思いがした。水仕事で荒れた手には小さな紙片が一枚。これから息子に科すべきお仕置きが、控えめな筆跡に書きつけられている。同時に、夫や姑に見せる報告書の意味もあった。

それには、この日のお仕置きを二回に分けて行う旨も書かれている。二百八十という尻叩きの多さと、二回ある浣腸の効果を考えてのことである。尻叩きにしても浣腸にしても、体が慣れてしまってから次を打っては、反省の効果は薄いと踏んだのだ。

そこで、あえて休息の時間を途中に設けた。楽をさせるためではなく、よりお仕置きの効果を上げるために。母親は、あえて鬼になったのである。

決まった数も弄れなければ、あからさまに手心を加えることも許されない。であるならば、彼女に出来ることは、お仕置きの成果を次に繋げることのみだった。今日のお仕置きが決して無駄にならぬよう、来月も同じ苦しみを味わわずにすむよう、存分に懲らしめて、骨身に沁みさせてほしかったのである。

廊下から外を覗えば、もう春も近いというのに粉雪がちらちらと舞っていた。思わず一つ身震いして、しかし、次にはまた呼吸を深くして身の震えを止め、息子の待つ仏間の襖に手を掛けた。

「さあ、お仕置きですよ」

部屋に入ると、少年が目を閉じたまま深く頭を下げる。その様子に満足し、母親は彼の前に静かに座って向かい合った。

「これから、あなたへ特別のお仕置きをしてあげます。今日の痛みはすべて、このひと月の間に、あなたの身から出た錆。普段から、お父様や私の言いつけを守っていれば、決して受けなくてもよかったお仕置きなのです」

芝居がかった口調で告げる。少しでも印象に残し、過ちを繰り返してほしくないという自覚的な思いと、こんな酷なことは、とても平常心では言えないという無自覚的な思いが混じっていた。

「今日のお仕置きは昼を挟んで二度に分けます。一度目が終わっても遊びに行くことは許しません。いえ、二度目が終わるまで、お仕置きがすべて済むまで、この部屋から出てはなりません。いいですね」

あえて冷淡に告げる。

「でも、お母様、この部屋から出られなかったら、お手洗いは……」

少年のもっともな疑問を、母親は目で制した。

「大人の言葉には、まずは、はい、というお約束でしょう。……頬をお出しなさい」

しまった、という顔をしても、もう遅いのだった。少年はいっそう表情を曇らせながらも――

「はい」

――と返事をして目を閉じ、素直に頬を差し出した。刹那、母親が払うように平手を翻し、冷静に、しかし、強かに少年の頬を打ち据えた。

ビシャリと音が響いて、母の手の平と少年の頬が、同時に熱を帯びて赤く染まる。

「……用達には盥をひとつ置いておきます。今日はお浣腸も二つかけますから、その中に済ませなさい」
「……はい」

少年は目に涙を溜めつつも、また深く頭を下げた。まずは先ほどのお仕置きを二等分したものを告げて、その日の最初のお仕置きは始まった。


四、平手打ち
お仕置きは頬への平手打ち三回と、手の甲への平手打ちの二回から始まった。

「舌を噛まないように、歯を食いしばっておきなさい」

あらためて母親がしたこの忠告は、これから行うお仕置きのための平手打ちが、先程のものよりずっと強くなることを示していた。

「…はい」

先ほどのビンタは、あくまでも会話中の警告にすぎないのである。少年もそれがよく解っていたから、今度の返事は涙声のような弱々しいものになってしまっていた。少年が目を閉じて奥歯を噛み締め、心持ち顎を上向けたのを合図に、母親の平手が飛ぶ。

バヂン!

耳にも痛い音がして、少年の体が横凪に畳の上に突っ伏した。左頬にはくっきりと白い手形が浮いている。

「早く起きなさい。あと二つですよ」
「…はい」

抑揚のない母親の声に次ぐ、震えた少年の返事。少年は思わず頬に当てようとした手をどうにか引っ込め、再び正座に戻り奥歯を噛んで、すぐさま顎を上向けた。

ビチン!

今度は右頬にビンタを貰い、またも少年の小さな体は横倒しになった。ビリビリと痺れる両頬に、ついに涙が伝う。しかし、少年はやはり頬を庇うのを思い留まって姿勢を正し、もう一度、腫れ上がった頬を母親に預けることに成功した。

泣いたところで許されることは絶対にないし、駄々をこねれば、お線香やお灸が増えるだけなのは、身に沁みて解っているのだ。

バチン!

前半のお仕置きで行われる予定の、最後の頬への平手打ちが終ると同時に、唸り声のような嗚咽が、少年の固く食いしばった口からあふれ出た。

一度、声を抑えるのをしくじると、極浅い呼吸に合わせて、ひっ、ひっ、と引きつった泣き声が止めどなく漏れていき、それは同時に、少年の心を自ずから挫かせた。

「頬は終わりです。 次は手の甲を叩いてあげます」

正座こそ保っているものの、すっかり萎縮した少年は、それでもなんとか片方ずつ腕を差し出す。母親は、両頬をパンパンに腫らして身を固くする少年の手首を掴みあげ、左右一つずつ手の甲を打ち据えた。皮の薄い手の甲の痛みに、少年の意志力は、ついにここで決壊した。

冬の仏間には、一方的に与えられる大きな苦痛と恐怖に、白い息を上げながら歳相応に泣き叫ぶ、腫れぼったい顔した少年の姿があった。


五、線香当て
両頬と両手の甲を真っ赤に腫らして、少年は畳の上に正座していた。呼吸が落ち着くまでの五分かそこらの間が、母親から与えられた僅かな時間である。

叩かれた瞬間の強い痺れが薄れ、代わりにじりじりと痛みを増していく頬と手の甲を意識しながら、さらに次のお仕置きに備えて呼吸を整えておくには、とてつもない集中力が必要だった。

本当なら、なにもかもわからないようになって、ひたすら転げ回って、ただ泣きじゃくりたかったのだった。しかし、彼はもう、それが許されるほど子供ではなかったし、それが出来るほどに全くプライドが無いわけでもなかったのである。

「お馬さんになって、こっちにお尻を向けなさい」

呼吸の整うタイミングを見計らって、母親は次のお仕置きの指示を出した。いよいよ、次は今までとは桁違いの回数の尻叩きであった。二回に分けたとはいえ、それは百四十発にもなる。

仮に、無理やり体を抑えつけでもして、間髪入れずに叩き続けたら、腫れはするだろうし痛みもあろうが、わずか数分で終わってしまうだろう。だが、この家のお仕置きのやりかたは、先ほどのビンタの様子を見れば察せるであろう。

一打、一打、自分自身の意志で相手に身を委ね、全力の一発を受けきらねばならないのが、この家のお仕置き模様なのである。体が傾いで倒れるような、そんな平手打ちを、尻とはいえ百四十も耐えなくばならないのだ。

この特別なお仕置きが始まってから、しばらく経つ。その間、百を超えるお仕置きが無かったわけではないが、それでも日に二百八十というのは未知の領域なのであった。少年とて尻叩きはこれが初めてというわけでもないにせよ、先のビンタを思い出して、すっかり怯んでしまっていた。

ゆえに、次に取るべき行動が遅れたのも無理からぬことである。

「……お馬さんになれと言ったはずです」

母親は低い声で今一度命じた。ここでなによりもすぐに尻を出し、はい、ごめんなさい、と素直に謝ることができていれば、結果は違ったかもわからない。

「二度目ですよ」

あたふたする少年の、次の短い言葉が止めとなった。

「でも……」

言ってしまった、と思った時には遅かった。慌てて四つん這いで後ろを向き、尻が割れて肛門が開くほど尻を突き出して、震えながらごめんなさいを唱え続けても、この過ちは帳消しにはできなかった。

「大人の言うことにはまず、はい、と答えなさいと、今言ったばかりでしょう……」

一日に二度、同じ忠告を受けてしまった。すでに、全くの同じ理由でお仕置きを頂いていたにもかかわらず。

こうした時、今までどう対応されたのか、また、それはどこで行われたか。思い出して身を震わせる少年を母親は静かに見下ろした。なんて憐れなのだろうかと、母親は突き上げらて震える尻に、昔の自分を重ねる。やりかたこそ違えど、厳しいお仕置きを受けて成長してきたのは同じであったから。

そして、お仕置きを頂く側から与える側になって、初めて知った辛さも同時に噛み締めていた。震える我が子をすぐには抱いてやれない辛さ、これから打たれる幼子の尻に、さらにもう一つ、お仕置きを与えなければいけなくなった辛さを。

しかし、だからこそ、これは我が手で行わなければならないと決意も新たにした。我が子を愛するも憎まれるも、断じて、人に任すなど考えられもしなかったからである。

「お尻叩きのお仕置きの前に、不服従の罰を追加します」

母親は仏壇に向き直り手を合わせた。普段のようにろうそくを灯しておりんを鳴らし、一通りの所作をこなすと、恭しく一本の線香を取り上げてろうそくの火を移す。ふわりと広がった白檀の香り。身を縮めていた少年の尻を掴み、これからのお仕置きにいい所を探しながら母親は告げた。

「これから三度、火を当ててあげます。しっかりと堪えなさいね」

少年の小さな拳が一際強く握られると同時に、橙に光る線香の先が、少年の力んで蒸れた尻の割れ目に近づいていく。

「んぎぃ……!」

ジュッ……と音がしたような気配があって、釘で突かれたような鋭い痛みが少年の尻の間を襲う。肛門のやや後ろ、割れ目の始まりよりは若干下の、普段は肉の間に隠れる部位だった。

やや下側に逸れてはいるが、この周囲に灸痕のある子も珍しくはないから、もし見られても恥ずかしいということもないだろう。この位置に据えるのはそんな配慮でもあり、これまでもお仕置きに線香や灸を使うときは、決ってここか会陰に据えていた。

幼い頃から幾度も炙られたその箇所は、まだ全体的に白く滑らかな少年の肌の中にあって、他の部分よりやや濃い茶色の、小さな染みになっていた。

「ひとつ、ふたつ、みっつ……」

数を数えて一度火を外す。それに合わせて少年の体が極度の緊張と弛緩を繰り返し、声にならない呻きを漏らし、額には早くも脂汗が流れはじめた。

僅か数秒ではあるが、火を使われた苦痛は大きなものであった。当てられた部分は一度目には火傷で赤く、二度目には線香の脂で茶色に、三度めは煤で黒く染まり、しばらくの間、奥まった所に黒い点を残した汗まみれの少年の尻が、白檀の香りの漂う中を小刻みに震えていた。

最後まで堪えきった少年の様子を見届けて、母親は線香の端を折り、水の入ったマッチ消しの中へ捨てると、ひとまず無事に済んだことに胸のうちで安堵した。

そして、仏壇の下から慣れた手つきで脱脂綿と消毒薬を取りだして手早く処置をすませると、最後に慈しむように傷跡にオロナインを擦って、またすぐにお仕置きの鬼の顔に戻るのであった。


六、尻叩き
母親は少年の汗ばんだ尻を手ぬぐいで軽く拭くと、彼の腰を持ち上げ、叩きやすいように尻の位置を正した。ついで、これから打ち据えるところを確かめるように二度三度、少年の尻たぶを手の平で擦ると、少年の両腿に先ほどの手ぬぐいを掛けて尻の下で結び、手綱のように結び目の端を左手に握った。

少年は四つん這いのまま、手ぬぐいで両腿だけを縛られた格好である。これならば逃げることも暴れることもできないし、手ぬぐいを引いてやれば、いくらでも無防備な尻を突き出させることができるというわけだ。

いくら平手打ちといえど、大人が本気で打つとなれば、それはかなりの威力になる。ましてや少年の歳では、とても百を超える数など素直に受けきれるものではない。一見、残酷なこの手拭いによる拘束も、必要以上に少年の体を傷つけることなく、円滑にお仕置きを進めるために考えだされた方策の一つなのである。

耐え切れずに尻を隠し、不服従の線香当てや頬打ちを何度も貰う羽目になることを思えば、これでもいくらか優しかったのだ。

「全部で百四十、心して受けなさい」

尻叩きの下準備が整うと、母親は指先を揃えて固くした右手の平を自分の顔の横まで上げ、少年の尻めがけて振り子のように叩き下ろした。

「あぎぃッ!」

部屋中に反響する平手打ちの音ともに、少年の悲鳴じみた声があがる。最初の一打は尻の右側にあたり、勢い、つんのめるようによろけたが、しかし、しっかりと結えられた手ぬぐいの手綱に引っ張られ、すぐに元の体勢に戻される。

バヂンッ!

打ち払わず、ぴたりと尻にくっついていた手の平を退けると、頬の時よりもさらにくっきりとした白い手形が浮かぶ。ついで、二打、三打と左右交互に打ち据えていくと、あっという間に少年の尻は一回り腫れ上がり、母親の手の平も同様に赤く染まっていった。

「ごめ…ひぐぅ…なさッ…ごめん…な、ぁいッ!」

十打もいかないうちに少年は声を上げて泣きじゃくりはじめたが、母親の平手打ちが止む気配はない。むしろ、手拭いの手綱を握る左手には一層力が入り、両腿をきつく締め上げられる痛みが加わるばかりである。痛みに踊る尻を御しながらの過酷な平手打ちは、なおも続く。

百を超える頃には、少年の尻の表層は擦りむいたように白っぽくなり、またその下の肉は真っ赤に腫れあがり、さらに部分的に内出血して青痣すらも浮きはじめていた。酷い有様になっているのは、なにも少年の尻ばかりではない。母親の叩く手の平も真っ赤に膨れ上がっているならば、手綱を握る反対の手も生地に擦れて豆ができんばかりである。

時間にすれば、わずか十数分程度。しかし、この百四十打の尻叩きを終える頃には、母子ともに全身ぐっしょりと汗ばみ、息も絶え絶えになっていたのだった。


七、浣腸
線香の残り香の漂う仏間。

両肘と胸とを畳につけ、腫れ上がった尻を突き上げた体勢のまま、少年はしばしの休憩をとっていた。さんざん叩かれ続けた尻は、胸の鼓動に合わせるようにズキズキと疼き、腫れ上がって一回り大きくなっているのが皮膚感覚だけでわかる。迂闊に身じろぎすれば、固くつっぱった感触とともに、火傷のような激痛が尻から頭のてっぺんまで走り抜ける。

少年は、なるべく不用意に体を動かさないようにするために顔の前で両手を組み、道具を取りに離れた母親の帰りを大人しく待っていた。まるで恭しく祈りを捧げるような体勢だが、いくら許しを請うても叶わないことは、誰よりも彼自身がわかっているのである。

午前中に受けなければならないお仕置きは、残すところ浣腸のみ。それさえ凌げば、少なくとも午後までは体力の回復に努めることができる。

残る罰への大きな恐怖と同時に、そうしたお仕置き慣れとも言える冷静な視点を持っているのが、これまで彼の曝されてきた躾の事情を暗示しているようであった。

少年がお仕置きの苦痛を噛み締めつつ、息を潜めるように畳に伏していると、するすると襖が開き、浣腸のための道具一式を収めた盥を手にした母親が戻ってきた。

母親は畳の上に古新聞紙を何枚か重ねて敷くと、少年の腿を縛っていた手ぬぐいを解いて命じた。

「今度はこの上でお馬になりなさい」

彼は新聞紙まで這っていき、膝を肩幅に開いて浣腸をかけやすくしたが、母親はまだ物足りなかったらしく、彼の細い内腿に手をかけると、ぐっと力を入れて深く足を開かせた。

「いっ…!」

尻の形が変わる拍子に奔った痛みに、思わず仰け反って呻き声を上げる少年をよそに、母親は澄ました様子で手拭いを畳んで脇においた。

「これから、お前のお腹を綺麗にしてあげますからね」

そう言うと、母親はあえて少年の前で薬液に浣腸器を浸し、ゆっくりと吸い上げて見せた。液量は約150cc、白く濁った薬液はぬるま湯に固形石鹸を溶かしたもので、この家で浣腸をかける際、決まって使われるものである。

深く突き出されて割り開かれた、少年の真っ赤な尻。その合間にある、まだ色素沈着のしていない薄いベージュの肛門を消毒薬の滲みた脱脂綿で軽く拭う。

「んっ…」

アルコールが気化する際の冷やりとした感触に、少年の肛門がヒクついて窄まる。母親は清拭に使った綿を捨てると、薬液の熱で程よく温まった浣腸器の尖端を、きゅっと力の入った窄まりの中心に添えた。

浣腸器を持つ手にゆっくりと力を込めると、括約筋の押し開かれるわずかな抵抗を伴って、滑らかなガラスの尖端が肉襞に飲まれていく。

ついで、湿った粘膜のまとわりつくのを感じながらながら、充分に浣腸器を少年の体内に進めると、滑らかな嘴に押し拡げられた健康的な桃色の粘膜が、薄いガラス越しに歪んで見えた。 

「しっかりと我慢なさい」

母親は右の手の平をピストンに当て、人肌よりもほんの少し温かい薬液を、少年の中にゆっくりと注腸していった。

「あ…ぐ…」

生暖かい液体が入ってくる感触に、少年が小さく息を呑む。意外にもそれは、不快さから出たものばかりではなかった。相手が母親はとはいえ、人前で尻穴をさらけ出し、ガラスの異物に舐られている惨めさを別にすれば、実はそれ自体は嫌なばかりではない。

温かいものが下っ腹に広がっていく独特の感覚だけならば、むしろ、心地よくすらあったかもしれないし、それに加えて肛門期の名残が心地良さ以上のものすら与えているかもしれなかった。

「しっかり我慢なさいね」

呆けかけた頭を、抑揚を抑えた母親の声が現実に引き戻す。

薬液が完全に入りきり、くぽっと音が立ちそうな独特の抵抗を伴って、少年の肛門から浣腸器の嘴が抜かれると、同時に簡単に排泄できぬよう、固く丸めた脱脂綿が肛門に強く押し当てられる。先ほどまでのガラスの滑らかさと違い、力任せに押し当てられた脱脂綿は、固くざらざらとした不快な感触だけだった。

石鹸水を注腸してから一分ほど経った。

最初はお湯の入っている感覚しかなかったが、徐々に直腸から異物感が湧き上がっていく。以降、数秒おきに次第に異物感は大きくなり、一分半経った頃には、早くも腸が捻れるような強い刺激に変わった。

(苦しい、出したい!)

必死で肛門を締め付けて耐えようとするも、下っ腹の苦しさはどんどん増していく。最初は肛門付近にのみあった違和感も、二分を回る頃にはすっかり腹全体に広がり、強い排泄の衝動に身を捩って脂汗を滲ませるほどになった。

「ぁ…ぁあ…」

我慢の限界を迎えて肛門を緩めてしまうも、薬液は固められた脱脂綿と、それを抑える母親の指に堰き止められた。少年の腹がグルグルと音を立て、肛門が軟体生物のように収縮を繰り返し排便を促すも、脱脂綿は微動だにしない。

「ひぃ……んッ……!」

ついに少年は便意を堰き止められる苦痛に耐えかね、無意識に母親の手を振りほどこうと尻を踊らせはじめる。

「大人しく我慢なさい!」

だが、しっかりと押さえつけられた母親の指先は決して途中で外されることはなく、そうした痛ましい少年の抵抗もまた、さんざん叩かれて腫れ上がった尻の赤みを、より強くする以外に効果を上げることはないのだった。

バヂンッ!

「んぎぃ…!」

バヂンッ!

「ご、ごめ、なさいっ…!!」

バヂンッ!! 

「やぁだ……!……いつぅっ……!」

尻を振っては叩かれを繰り返し、十分間ほどが経ってから少年はやっと排泄を赦された。その頃には息も絶え絶えで、視界は白くぼやけて混濁し、最初のお許しの声も聞き逃すほどに追い詰められていた。

「もう出して良いですよ」

汗の玉の浮く体を引き起こされ、半ばわけのわからぬままに肩を支えられながら金盥を跨がされる少年。そうしてやっと、固く詰め込まれていた脱脂綿が外されると、彼の肛門からバシャバシャと勢いよく石鹸水が吹き出した。

「ああ……あああ……」

苦痛から開放されると同時に、鼻水と唾液にまみれた口から白痴のような声があがる。

肛門は空気を含んだ情けない音を立てながら、かりんとうのような小振りな大便を二つほどひり出し、最後に皮被りの小さな性器から、黄色みの濃い小便を盥の中にチョロチョロと放って、少年はやっと息を吹き返したのだった。

八、つかの間の安息
浣腸のお仕置きの後、ちり紙で尻を拭われた少年は、朝と同じように畳の上に正座したまま静かに目を閉じていた。見れば、透き通るように白かった腿は、横から見て解るほどに赤く腫れ上がっており、顔にはさきほどの平手打ちの腫れ涙の跡が残り、細い肩は冬の寒さに小刻みに震えていた。

正座をする少年の傍らには、用達のために残された盥が一つ置かれている。彼はまだ、この部屋から出ることを許されてはいないのである。

そう、今日の特別なお仕置きは、これでもまだ、半分しか終わっていないのだ。


※というわけで、久しぶりに厳し目なのを書いてみました……が、特にストーリー的なモノはなくオチもなく。本能だけで書いていたら、ショタっ子にひたすらに痛い思いをしてもらうだけになっちゃいました。…ごめんなさい。ぅぉぉぉ…コメントを…いただけたら嬉しいです…ヽ(´エ`;)ノ


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11 Comments

名前未入力  

12歳ということは、小学生なのでしょうか、4月生まれで一年間充実した6年生を過ごせますように。

2016/04/10 (Sun) 02:17 | REPLY |   

しおごはん  

To 名前未入力さん

コメントありがとうございます! ですねぇ…残り僅かな子どもの時間、たっぷりとお尻で味わってほしいものです。

2016/04/10 (Sun) 02:52 | REPLY |   

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2016/04/11 (Mon) 03:00 | REPLY |   

しおごはん  

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
時々、理不尽かつ厳しげなものを書きたくなってしまうしおごはんです。
こんな長々しいモノを読んでいただけて嬉しいです。

週の終わりにまとめてというのは、素晴らしい制度ですね(笑)
合理的ですし、お仕置きされるまで日が空いてしまうと精神的な反省効果も高そう!

メンテナンス・スパンキングというのは初めて知りました。
さすが本場には面白い(子供にとっては悲惨な?)習慣がいろいろあるのですね!
理由なき(気を引き締めるためとかはそれっぽいのはあるんでしょうけれど)お仕置きを受ける子の気分を思うと、不憫萌えスイッチが入ってしまいそうです。

2016/04/11 (Mon) 16:42 | EDIT | REPLY |   

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2016/04/14 (Thu) 13:42 | REPLY |   

しおごはん  

Re: No title

考えてみれば、いろいろとできそうですね。すでにキツイお仕置きを貰ったあとですから、
全く同じようにしたら、耐え切れずに追加罰がいっぱい増えてしまうかもしれませんし!
あえて耐え切れないようにして、本格的なお縛りやお灸追加もありえそうですけれども!!

2016/04/14 (Thu) 20:36 | REPLY |   

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2016/04/14 (Thu) 23:11 | REPLY |   

名前未入力  

No title

長編お疲れ様でした。
叩くだけではなく、一点一点の粗相に対するお説教と、それに対してお仕置きを関連付ければより力作になっていたかもしれませんね。

2016/05/05 (Thu) 10:29 | REPLY |   

しおごはん  

Re: No title

ありがとうございます。どうしても、叩くだけ、なっちゃいがちでして…。
カーにこうしてお仕置きするんだよ、と必要性とか心情っぽいモノを語らせて、
誤魔化そうと試みたのですが、
なるほど、粗相に対するお説教も混ぜればよかったですね。

2016/05/05 (Thu) 21:12 | REPLY |   

リビドー編集部  

はじめまして

はじめまして

お仕置きにお尻叩きや裸で外へ締め出し、浣腸などはロリやショタに合法的(?)にエロSMという非常に好みのシチュです。

ニッチなので敬遠される方も多いかと思いますが、浣腸のお仕置きがもっと見たいです(笑)

2017/05/23 (Tue) 01:05 | EDIT | REPLY |   

しおごはん  

Re: はじめまして

はじめまして。

現代及びここまでやるかはともかくとして、似たようなことが合法というか、躾の方針で済まされていた時代もあったというのが、妄想欲をそそります。

浣腸ネタ増えてほしいですよね。特に体の反応を精神力で抑えろという所なんか、お仕置きネタとしても責めネタとしても楽しげですし(笑)

コメントありがとうございました。

2017/05/23 (Tue) 20:08 | REPLY |   

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